サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2016-03-14から1日間の記事一覧

「不条理」という観念をめぐる逍遥 アルベール・カミュ「異邦人」に関する読書メモ 1

最近、アルベール・カミュの「異邦人」を少しずつ読み進めているのだが、なかなか面白い。二十世紀のフランス文学を代表する古典的小説の一つであるという大仰な前評判は、時に幼気な読者を恐れ戦かせ、敬遠させるような危うさを孕んでいると思うが、普通に…

「ツバメたちの黄昏」 二十三 商売敵との対峙

それは息詰まるような蒼白の沈黙に貫かれた、忌まわしい時間であった。ラクヴェル氏の冷淡で蔑みの感情に満ちた顔を、私は今でも克明に、生々しく想い起こすことが出来る。その邪悪な商館長と正面から向かい合って対峙したバエットの不敵な面構えも、未だに…

運命論の効用について

物事には必ず原因と結果があり、その関係性を正しく緻密に把握することが出来れば、或る条件を入力することで常に同一の結果を出力することが可能である。 このような自然科学的な発想の形式が、明治以来の慌ただしい近代化を遂げた私たちの国家においても自…