サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2016-10-18から1日間の記事一覧

詩作 「蛍火」

静かにしてください すぐに逃げてしまうから 水路のなかから聞こえる 清らかな音のつらなり 宵の口の 物哀しい調べ あなたのサンダルが立てる音 わたしの団扇が風を裂く音 晩夏の 取り残されたような みじかい休暇 若いあなたは 傷を知らない 流れる血の 重…

「プラトニズム」と「サディズム」をめぐって 坂口安吾「南風譜」

最近、岩波文庫の一冊として刊行されている坂口安吾の「桜の森の満開の下・白痴 他十二篇」を途切れ途切れに読み進めている。頭から順番に読み始めて、今は坂口安吾の代表作の一つである「白痴」の半ばに差し掛かっている。 中学生の頃に、角川文庫から出て…