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サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

「自由主義」という見果てぬ夢

ジョン・スチュアート・ミルの「自由論」(光文社古典新訳文庫)を少しずつ読んでいる。マルクスの「共産主義者宣言」(平凡社ライブラリー)と一緒にAmazonへ注文したのに、他の本を読むことに時日を費やして、居間へ店晒しにしていたのを漸く繙き始…

政治的に無力なものの「聖性」

政治的な実権を剥ぎ取られた存在が、それゆえに強大な政治的権威を保持するようになるということは、我が国においては、それほど奇怪な事態ではないように思われる。少なくとも、坂口安吾が「堕落論」の中で指摘しているように、日本古来の「天皇」という制…

「沖縄」という政治的な場所 5

今回で連載は五回目である。思いのほか書き終わらず、考究が長引いている。 saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com 今回は、作品の掉尾に置かれた車椅子の青年の独白の引用から始めたいと思…

「沖縄」という政治的な場所 4

今回で連載四回目である。 saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com 前回の記事で、私は車椅子の青年の発言に着目し、彼が「何もしないこと」を自らの役割として担っていることに関して、断片的な省察を積み重ねた。今…

「沖縄」という政治的な場所 3

前回の続きを書く。 saladboze.hatenablog.com saladboze.hatenablog.com 前回の記事では、車椅子の青年が位置付けられている文学的な役割に関して、一つの問いを設けた。つまり、車椅子に乗らなければ自力で移動することの難しいアメリカ人の青年の形象を通…

「沖縄」という政治的な場所 2

先日の記事の続きを書く。 saladboze.hatenablog.com 前回の記事で、私は村上春樹の「ハンティング・ナイフ」という小説を読解するに当たって、作中に登場するアメリカ人の車椅子の青年を、どのように位置付けるのかという問題が、重要な鍵を握っているとい…

「沖縄」という政治的な場所 1

在日米軍の普天間基地移設に伴う措置の一環として、沖縄県名護市辺野古の埋め立て工事が再開され、沖縄県知事の翁長氏、名護市長の稲嶺氏を中心に反発が強まっているという報道に接した。 私は人生で一度も沖縄へ足を踏み入れた経験がなく、沖縄という土地が…

グローバリズムとコミュニズム

先々週くらいから、乾石智子の「魔道師の月」(創元推理文庫)を読むことに飽きて、居間に積み上げたまま店晒しにしていた「共産主義者宣言」(平凡社ライブラリー)を鞄に入れて持ち歩き始めた。 私は共産主義という思想の意味を少しも理解していない。私の…

「検索不能」という価値

世の中、誰でも何でも分からないことはパソコンやスマホで手軽に「検索」して調べるのが当たり前になっている現代社会において、相対的に「検索出来ない情報」の価値が増大していくのは、考えてみれば至極必然的な成り行きである。誰かが「情報化」したもの…

「出生」と社会的合意

典拠が何だったか、具体的に思い出せないまま書くが、先日、2016年の日本における嬰児の出生数が遂に百万人を割り込んだという報道に接した。 少子高齢化が、成熟した、古びた国家である日本の「宿命」だという論調は長い間、私たちの社会における共通の…

人工知能は、書くことの秘儀を駆逐してしまうのか?

文章作成を主務とした人工知能(AI)が実用化され、色々な方面で活躍しているという。その記事作成能力は恐るべきもので、既定のテンプレートに厖大な情報を紐づけることで、客観的な事実を伝達する為の文章を瞬く間に書き上げてしまうらしい。文法的に精…

冤罪弁護士

先日、NHKで「冤罪弁護士」として知られる今村核氏に関するドキュメンタリーが放送されていた。番組の優れた出来栄えも然ることながら、何と言っても今村氏の独特なキャラクター、或いは生き方と、日本の刑事裁判が抱えている現状の問題点が興味深く、法…

結局、誰もが「ドナルド・トランプ」ではないのか?

連日、アメリカ大統領選挙の衝撃的な結末に関する報道が、ネットやテレビを賑わしている。傲慢で明け透けな「レイシスト」のドナルド・トランプに、アメリカの良識は屈したのだろうか? バラク・オバマ、ヒラリー・クリントンの描いてみせた「希望」は所詮、…

「背広組」と「制服組」

学生時代の友人に、自衛官になりたいと考えている男がいた。同じ大学に通いながら、彼は勉強し直して防衛大学校を受験したいと夢を語っていた。結局、その友人は自衛官の途には進まず、卒業と同時に地元の福島へ帰って新聞社へ勤めるようになった。昨年辺り…

「結婚」願望の若年化(共同体への帰属を求める欲望)

地縁や血縁という問題は、近代化や都市化、情報化が亢進するに連れて意義を失い、薄れていくという考え方は、一見すると尤もらしい。それは近代的な個我の確立のプロセスであり、外在的な規制に縛られることなく、あるべき理想を追求する進取的な生存の形態…

核軍縮への困難な道程(テクノロジーの暴政)

昨日、アメリカのバラク・オバマ大統領が広島の平和記念公園を訪れ、原爆投下によって惨たらしい死を遂げた人々を追悼する内容の演説を行なった。現職の合衆国大統領が広島を訪問するのは史上初めての出来事であり、メディアでも大々的に取り上げられ、諸外…

「制御し得る暴力」という妄説について 2

先日の記事の続きを書く。 saladboze.hatenablog.com 暴力、それも国家によって独占的に管理された合法的な暴力としての「軍事力」の行使が、様々な歴史的反省を踏まえて、諸々の規律に厳しく締め上げられ、自由や放埓と無縁の委縮の中に閉じ込められている…

「制御し得る暴力」という妄説について 1

先ほどテレビのニュースを見るまで知らなかったが、昨年来、日本の政治と社会を揺さ振り続けてきた安全保障関連法案が本日、施行されたらしい。 とはいえ、私はそれらの所謂「安保法」が具体的にどのような中身を持つものなのか、それが施行されることによっ…

NHK礼讃 / 「テレビ」凋落の時代のなかで

私はここ数年、余りテレビを見なくなった。元々朝が早く夜が遅い仕事で、それほどテレビを見る時間がないというのも背景にはあるだろうが、年々関心が薄れていることは確かである。十代の頃、御世辞にも活動的とは言い難い少年であった私は寧ろ、比較的熱心…

「著作権」という商業的思想=ルールについて

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今朝、スターバックスでコーヒーを啜りながら、はてなブログのトップページを眺めていたら、はてなダイアリーの記事において2000件以上の歌詞の無断転載が行われているということで、JASRACから削除依頼が来て…

「戦争」は選択し得るものなのか

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 最近、世の中には血腥いニュースがあふれています。 先日もロシア軍の戦闘機をトルコ軍が領空侵犯を理由に撃墜した挙句、パラシュートで脱出したロシア兵が、トルコ系の武装勢力の攻撃を受けて死亡するという悲劇が起こ…

「若者」というマイノリティ / 「高齢化」というライフスタイル

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 本日も徒然なるままに他愛のない雑感を綴ろうと思います。 仕事をしていても、テレビや新聞やネットを見ていても、日本は「少子高齢化」の時代であるという言説を耳にすることがよくあります。別に最近になって語られ始…

社会的分業について

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今朝、仕事へ行く前に職場の近くの喫茶店で簡単な朝ごはんを食べようと思って並んでいたら、私の前に立っていたおばさんが店員に「紙袋ちょうだい」と言ってました。コーヒー豆とかを纏めて買ってたので、紙袋を要求する…