サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2016-02-03から1日間の記事一覧

語り得ないものを語ろうとすること 村上春樹「中国行きのスロウ・ボート」

村上春樹の短編小説、特に初期の頃の作品群はどれも、具体的で明確な意味に結実することを拒むように、確固たる物語の輪郭から逸れていく性質を持っている。処女作である「風の歌を聴け」などはその典型的な例で、極めて断章的な性格の強い文章の連なりが、…