サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2017-02-24から1日間の記事一覧

「死者の眼差し」に潜む「明晰」

大岡昇平の「野火」は不穏な小説である。その不穏さは、題材の異様さ、つまり敗色濃厚な南方戦線への従軍経験という、誰の身にも平等に降り掛かるとは言い難い経験の異様さに基づいていると言えるが、無論それだけではない。語り手のメンタリティの異様さが…