サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2018-01-26から1日間の記事一覧

詩作 「SOLID MIND」

夢うつつで生きていた 足もとは いつも宙に浮いていた 想いの強さが 物理的な現実から 私のこころを隔てていたのだ 夏は去り 秋が訪れる 蝉が死に 蟋蟀が啼き始める 慟哭のように おぼれられる限り おぼれていくような恋に その胸の苦しさに どんな必然を信…

詩作 「UNDERGROUND TRACK」

地下のホームで 久々にあなたを見かけた 一年以上経つだろう 人生八十年と仮定すれば 一年の歳月は 一瞬の泡沫にすぎない だけど ひとつの泡が生まれて弾けるほどの 短い季節の循環のなかでも 変わっていくものは ひどく大袈裟に 様変わりしてしまうのだ 記…

詩作 「ADDICTIVE GIRL」

求めることに躍起な 麦わら帽子の少女 波間に揺れるヨットの明るい帆が 難破船の残骸のように ふるえている 苦い薬を飲んだように 少女は険しい目つきで 私の裏切りをなじった なぜ総てを受け容れてくれないのかと なぜ完璧な肯定を与えてくれないのかと 怒…

Cahier(契機と理由・潜在的なものと本質的なもの)

*或る現象が生じたときに、私たちはそれが生じた「きっかけ」や「理由」を探索し、特定しようと試みる場合がある。だが、これらの二つの観念、つまり「契機」と「理由」との間には、極めて抽象的な次元において、微妙な相違点を孕んでいるのではないかと考…