雨が降っていました 秋は徐々に冬へと近づいていく 窓際に置かれた花瓶のなかで 名前の分からない花がしずかに萎れていく 今夜はひどく冷える 秋の音階が冬の短調のなかへ融けていくように 買ったばかりの焦茶色のベルトの腕時計が 時間を刻む小さな音が聞こ…
いつものように しゃべっていた 仕事終わりの 夜の休憩室で 古いテレビから 足摺岬を蹂躙する台風十号のニュース 暴風域は おそろしく広い だけど別に関係ないよな 膝を組んでタバコを吸ってた 缶コーヒーはもう温くなっている なにかしゃべっていて なにか…
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