引き続き、三島由紀夫の『絹と明察』(新潮文庫)に就いて書く。 血栓性の脳軟化症に犯されて病床の生活を始めた駒沢善次郎は、大槻との対決を通じて危うく揺らぎかけた持ち前の「慈愛」と「善意」の論理を辛うじて守り抜き、或る澄明な境涯へ到達することと…
引き続き、三島由紀夫の『絹と明察』(新潮文庫)に就いて書く。 その返信は、よしんば長い時間を経ても、必ず届く。これはかなり神秘的なことだが、駒沢は自分が善意を施している相手方の反応を、あんまり当然なものと信じていたので、詳しく検証して見るこ…
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