サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-01-30から1日間の記事一覧

「奇蹟」と「日常」の狭間で生きること 三島由紀夫「海と夕焼」

引き続き、三島由紀夫の自選短篇集『花ざかりの森・憂国』(新潮文庫)に就いて書く。 「海と夕焼」と題された聊か抒情的な短篇は、作者自身が巻末の明晰な自註において述べている通り、三島にとって極めて重要な含意を帯びた観念である「奇蹟」を巡って構成…