*人間は誰しも他者からの評価を気に病む。毀誉褒貶に一喜一憂し、自己の存在や行動を、多数派の他者が築き上げた普遍的な規矩に合致させることに、奇妙な社会的幸福を感受する。こうした他律的な生き方は、余りにも深く我々の魂を蚕食しており、それ以外の…
セネカの『生の短さについて』(岩波文庫)を読了した。 二千年前の著述が未だに「生」の現実に対する有効性を失っていない。その厳然たる事実に私は驚嘆せざるを得なかった。セネカは古代ローマの激動の時代を生き抜いた有能な政治家であり、その生涯を苛み…
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