*賢くあろうと努める者は極めて安直に、理性に基づく必然性の認識という奇態な信仰へ呑み込まれる。理性によって現実の構造を正しく認識しようと試みるのは、殊更に批難されるべき謂れのない作業である。だが、そうした作業に何らかの倫理的な「価値」を見…
引き続き、プラトンの『メノン』(光文社古典新訳文庫)に就いて書く。 「プロタゴラス」や「メノン」といった初期の対話篇において、「美徳アレテー」という観念の正体に関して繰り広げられる果てしない問答は、明確で完結的な解答に辿り着かない。恐らくプ…
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