サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-06-21から1日間の記事一覧

プラトン「国家」に関する覚書 7

再び、プラトンの対話篇『国家』(岩波文庫)に就いて書く。 「理想」という概念は、プラトンの思索において極めて重要な意義と役割を帯びている。現実に存在する事物への全面的な充足だけで万事済むのならば、プラトンのように彼是と抽象的な思弁を弄する必…

Cahier(「明晰」と「迂回」)

*五月の末から、プラトンの対話篇の繙読を一時休止して、再び三島由紀夫の短篇を渉猟する旅路に赴いていたのだが、俄かに気が変わった。 先刻夕食を終えて、居間の壁際に置いてある新しい書棚に並べておいた、ドイツの哲学者カントの『啓蒙とは何か』(岩波…