2019-06-26から1日間の記事一覧
*人間の知的な好奇心は何によって煽られ、駆り立てられるのだろうか? 言い換えれば、我々の存在と精神を知的好奇心の情熱が刺し貫くとき、一体何が、そのような興奮を浮揚させているのだろうか? 何かを知りたいと熱烈に願うとき、我々が期待している「邂…
*また益体もないことを徒然に考えている。批評という営為が、何を欲望しているのか、という普遍性を欠いた設問が、脳裡を掠めたのである。 例えば性愛に就いて考えてみる。我々は愛する者から愛されたいという至極当然の感情と期待を有する。逆に言えば、愛…
三島由紀夫の短篇小説「サーカス」(『真夏の死』新潮文庫)に就いて書く。 所謂「見世物」に属する稼業は、観衆の欲望を刺激し、彼らの興奮に向かって想像的に同化することによって成立する。観衆が何を見たがっているのか、その欲望の内実を把握しなければ…