サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-06-28から1日間の記事一覧

純潔なる戦時下の天使 三島由紀夫「翼」

三島由紀夫の短篇小説「翼」(『真夏の死』新潮文庫)に就いて書く。 この小説は透き通るような、抒情的な美しさに満ちている。通俗的な感傷と言えば確かにそうかも知れないが、この美しさには三島的な主題の片鱗が、蜉蝣の翅のように薄く繊弱に編み込まれて…