サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-10-10から1日間の記事一覧

サラダ坊主の推薦図書5選(三島由紀夫篇)

推薦人「サラダ坊主」の前口上 三島由紀夫の遺した夥しい数の小説を、今でも熱心に読み続けている人口がどれくらい存在するのか、その実数を審らかにする手段を私は持ち合わせていません。物故した作家としては例外的なほど、現在でも過半数の作品が現役の文…

Cahier(プラトンに関する断片)

*プラトンの哲学は、感覚的な認識の彼方に存在する事物の「実相」(idea)を把握することに至高の意義を見出した。それは感覚によって得られる諸々の認識が、宿命的な不完全さを内包している為に、決して事物の「実相」に到達し得ない構造的限界を孕んでいる…

プラトン「国家」に関する覚書 10

久々にプラトンの対話篇『国家』(岩波文庫)の続きを読んでいる。 プラトンは「哲学的素質」の特権的な価値と優越に関して、世俗的な誤解を排除する為に懇切な弁明を繰り返し試みている。その弁明を支える動機の淵源に、刑死した師父ソクラテスの面影が鎮座…