サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-10-12から1日間の記事一覧

「無垢」のフィルター、恩寵としての「情死」 三島由紀夫「岬にての物語」

三島由紀夫の短篇小説「岬にての物語」(『岬にての物語』新潮文庫)に就いて書く。 幼い少年の視線を通じて描かれた、この悲劇的な情死の物語は、例えば晩年の傑作「憂国」のように、当事者である若い男女に焦点を合わせていない。専ら少年の眼に映る風景が…