サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-10-24から1日間の記事一覧

Cahier(「超越」と「虚無」に関する断片)

*三島由紀夫の文業を「プラトニズムとニヒリズムの相剋」として読解すること、これが近頃、私の脳裡を去来する個人的読解のプログラムである。 こうした見取り図は、決して私の創見ではない。近年では大澤真幸氏が『三島由紀夫 ふたつの謎』(集英社新書 2…

「債務」としての「愛情」 三島由紀夫「牝犬」

三島由紀夫の短篇小説「牝犬」(『岬にての物語』新潮文庫)に就いて書く。 聊かシニカルな女誑しの若者に執着する未亡人の、法外な独占欲の顛末を描いた作者の意図が那辺にあるのか、明瞭な答えを弾き出すことは難しい。章子の異様な執着と嫉妬が、如何なる…