サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-11-11から1日間の記事一覧

「純潔」の逆説 三島由紀夫「十九歳」

三島由紀夫の短篇小説「十九歳」(『岬にての物語』新潮文庫)に就いて書く。 少年期に固有の精妙な心情を描くことは、三島が様々な作品において幾度も試みた主題である。「殉教」や「午後の曳航」に登場する陰湿な少年たちは、社会と大人に対する冷徹な憎悪…

プラトン「国家」に関する覚書 11

プラトンの長大な対話篇『国家』(岩波文庫)に就いて書く。 プラトンは「教育」という言葉に独自の含意を埋め込んでいる。彼にとっての「教育」は、単に技術的な知識の蓄積や発展を意味するものではない。彼が重視するのは「世界観」の「書き換え」である。…