サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-12-17から1日間の記事一覧

審美的なデミウルゴスの肖像 三島由紀夫「女神」

三島由紀夫の小説「女神」(『女神』新潮文庫)に就いて書く。 この作品は、妻を「女神」に仕立て上げようとして中途で挫折し、今度は娘を「女神」として完成させるべく、異様な審美的情熱を燃え立たせる男の物語である。彼が「女神」という観念に充塡する感…

Cahier(「哲学」と「文学」)

*プラトンの対話篇を読むことに疲弊して、三島由紀夫の繙読を再開しつつある。『テアイテトス』(光文社古典新訳文庫)の抽象的思弁の難解さに面食らって、特に後半に出現する幾何学的な論証の抽象性が一向に咀嚼出来ず、改めて自分の劣等な脳味噌に辟易し…