納富信留の『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)に就いて書く。 古代ギリシアの哲学者プラトンに関して、日本を代表する高名な研究者である納富氏が、本書において展開している古代哲学史に就いての緻密な考究の方針は、柄谷行人氏が『哲学の起源』(…
三島由紀夫の短篇小説「みのもの月」(『ラディゲの死』新潮文庫)に就いて書く。 表題の「みのもの月」とは漢字で書けば「水面之月」であり、要するに水面に映じた不安定に揺らぐ月影を意味している。劈頭に掲げられた「往生要集」からの引用が示唆するよう…
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