不図思うところがあり、今回から断続的に「サラダ坊主の幸福論」と銘打って、甚だ輪郭の曖昧な「幸福」という観念を主題に、古今東西の先賢の書物を渉猟し、特定の分野に固執することなく、成る可く横断的で柔軟な思索を積み重ねていこうと発起した。 思うと…
三島由紀夫の短篇小説「魔群の通過」(『ラディゲの死』新潮文庫)に就いて書く。 この作品に登場する人々は何れも癖の強い、奇態な性質の持ち主ばかりである。主役に当たる伊原を除いて、彼らは何れも敗戦による社会の激変によって著しい没落を強いられたと…
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