サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2020-04-15から1日間の記事一覧

サラダ坊主の幸福論 18 セネカ先生のストイシズム(十)

引き続き、古代ローマの賢者セネカ先生の幸福論に就いて私的な評釈を試みる。 さらに、善きものと同様に、悪しきものにも快楽が内在し、有徳の人が優れたものに喜びを覚えるのと同様に、恥ずべき人間も自分が耽る不道徳なものに喜びを覚えるという事実もある…

凡庸な恋路の結末 三島由紀夫「箱根細工」

三島由紀夫の短篇小説「箱根細工」(『ラディゲの死』新潮文庫)に就いて書く。 丹後商会は写真機を商う店である。銀座西七丁目にあって、裏通りの地味な店構ではあるが、銀座に二十年つづいている店はそうたんとはない。主人は二代目である。先代が地歩を築…