サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2020-07-12から1日間の記事一覧

「Hopeless Case」 16

敢て顔を出さずにいたのは、荒城に喫煙所で言われた「公私混同」という表現が無闇に疎ましかったからだった。辰彦は編輯部の人々の間で鬱陶しい噂が広がることを怖れていたし、ただでさえ彼の同僚たちは夥しい読書の堆積の所為か、豊かな想像力を患っていた…