2017-06-22 勤人十句 詩作 一 終電の 光を浴びる 瓶麦酒 二 昨夜から 下痢のとまらぬ 失業者 三 函入りの 娘が家を 出て十年 四 保険屋に 脅され屋根の 修理する 五 陰惨な 記憶と共に 夏の月 六 淋しいと 言われて肩を 叩かれて 七 作業着に 口紅ひとつ 闇ふたつ 八 落雷の 間際の駅に 折り返す 九 東京の 端に暮らして 君は死ぬ 十 持ち家の 夏の蛾が這う 磨り硝子