サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「日向へ」

光の射す場所へ

手をつないで走ろう

息を切らして

夢を見るように

僕たちは光の射す場所へ急ぐ

苦い日々が

カレンダーを端から端まで染めている

さあ つないだ手を強く握り返そう

ここは生きるには暗く寒すぎる

だから 新しい世界へ飛び立つんだ

 

終わりを迎えた絆に指先で触れる

そう 何度も何度も指先で確かめる

この物語の終幕が

ほんとうにこれで正しかったのか

確信が持てないせいで

いつまでも 息苦しい夢に囚われ続けるのだ

その夢の破れ目から

君がさしこんだ指先に

僕は光を感じた

そして光の射す場所へ歩き出すために

靴紐を結び直した

 

光の射す場所へ

もうすぐ届きそうだ

遠回りを繰り返して

ようやく辿り着いた明るい部屋

南の窓を開け放ち

世界中の風を招きいれる

ここが新たな物語のはじまりとなるように

心からの祈りをこめて

窓枠からわたしは

世界のすべてを 見定めようとする