静けさの裏側にひそむ
いくつかの しょうのない罪
それを重ねて 裏返して 火を点けたのだ
君たちはまだ何も学ばず
それでも餓えることには熱心だ
先生は教卓の向こう側で
世界の落日をながめていた
わたしたちの小さな背中には
まるい肩胛骨が艶めいているばかりで
翼の生えるきざしも見えない
立ち上がれば
飛べるのだろうか
幾千年の闇の彼方までも
限りある いのち
限りある 死に顔
わたしたちの痩せたからだには
遠い昔の朝焼けの角笛がこだましているというのに
君たちはまだ何も学ばず
瓦礫のような世界の辺境で
溜息を結わえつけることにばかり熱心だ
先生はそのようにおっしゃる
わたしたちにはまだ分からない
知らないことが多すぎる世界の辺境で
壮大な落日に酔い痴れる資格すら持たない