サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「隠れ家にて、待つ」

誰にも邪魔されずに
内緒で来いよ
夜が明ける前に
一人で来いよ
心変わりに
声変わり
優しい女の
膝枕

誰にも話さず
二人だけの秘密にしておけ
自転車は止せ
鍵の音でバレる
チェーンの軋む
音で悟られる
道順に目印を刻むな
誰にも見られず
追跡されずに
モサドのスパイのように
上手に来いよ

俺たちはいつから
逃げ続けるばかりの人生を
送るようになったのか
古びた金網の向こうに
熟れたトマトみたいな夕焼けの太陽が沈んでいく
帰りたいけど帰れないんだって?
だったら 今すぐ
こっちに来いよ