サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「塩」

地面にひれふして
貴方に捧げる
あたしは一つの
選び抜かれた純粋な割れ目だ
その亀裂に
何らかの方法で(つまり贈り物や目配せや、もったいぶった冗談やなんかで)
辿り着いた
そこには虚無と快楽しかない
あるいは
それら二つは
同じ種子から芽吹いた
性悪の双子なのだろうか

付き合い
親しみ
睦み合うという
一連の手続きが
求めるものの内実に
あたしは
うまく探りを入れられない
君のカラダはとても美しいと男は証言した
捜査官の眼つきで
淫猥な夜の境界線を
蒼白く光らせる

塩をまかれた
大地の上に
夏の風に揺れる
柔らかな麦畑のような素直さで
あたしは寝そべっている
目覚まし時計が
壊れかかっている
貴方の玉蜀黍の軸の
硬質な感触に濡れて
夜は天鵞絨をひろげていく
空の涯にある
一瞬の
口惜しいような切なさの為に
あたしは犯人を射殺した
男たちは今宵も酒場で
男たちだけの密談に忙しい