2020-06-21 詩作 「東雲の街衢」 詩作 その春の明け方にゆっくりと目醒めたものは美しい羽根を伸ばして闇の彼方へ溶け入りつつあった路面電車が夕暮れの路を行き交うように私たちは暁の空を仰いだ影法師の重なり合う交点になにを夢見ただろうか私たちは頼りない一対の絵画のように冷たい顔でポーカーに勤しむ この切実な願いがいつか届くならば良いのに世界の最果ての庭で潮汐発電所が眠られぬ夜を営んでいる私たちの遭遇の記録一夜限りの愛情のあとで私たちの墓標の形作られたあとで