野心と放心 「淪落」という倫理について 坂口安吾「風と光と二十の私と」 2

どうもサラダ坊主です。 坂口安吾論の後篇を矢継ぎ早にアップします! 私は戦きながら、然し、惚れ惚れとその美しさに見とれていたのだ。私は考える必要がなかった。そこには美しいものがあるばかりで、人間がなかったからだ。実際、泥棒すらもいなかった。近頃の東京は暗いというが、戦争中は真の闇で、そのくせどんな深…