呪われた「血」の暴発 中上健次「枯木灘」に関する読書メモ 2

saladboze.hatenablog.com 中上健次の「枯木灘」を読了した。最初に購入した高校時代から考えれば、実に十余年越しでの通読ということになる。読み終えて、こんなに重厚で名状し難い感興に囚われる小説も滅多にないだろうと、素朴な結論に達した。私の乏しい読書履歴を顧みても、直ぐに思い浮かぶのは車谷長吉の「赤目四十…