極めて甘美な「挫折」の寓話 「ブキーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」をめぐる回想

もう随分昔、勿論それが随分であるかどうかは人によって意見の分かれるところだが、私が十代前半だった頃、書店の所謂ライトノベルと呼ばれるジャンルの棚には、上遠野浩平の「ブギーポップ」シリーズが平積みにされていて、話題を呼んでいた。当時小学生か中学生だった私は、何がきっかけでそれらの作品を手に取ったのか…