サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

自己解体への欲望 古井由吉「雪の下の蟹」

どうもサラダ坊主です。 先日、古井由吉の「雪の下の蟹」という小説を読みました。 作者の金沢時代の体験に題材を取った小品で、取り立ててダイナミックな筋書きがある訳でもない短い小説ですが、独特の読み応えがあり、文章も地味に富んでいます。 金沢とい…

「森」の論理と「ヒト」の論理 宮崎駿「もののけ姫」

どうも皆様こんにちは。サラダ坊主です。 日本が誇るアニメーションクリエーターとして国際的な知名度を持つ宮崎駿氏が「風立ちぬ」を最後に現役を退いてから、早くも2年以上の月日が流れました。 「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」という牧歌的な作品…

映画におけるストイシズム / 「原作」という呪わしき理念

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 ここ数年、私は劇場へ足を運んで映画を見ることが多くなりました。映画というのは本来「映画館」で鑑賞されることを想定して作られているので、テレビやDVDで見ると、今一つ物足りなく感じることがあります。何より、…

「絵」で「物語」を表現するということ 井上雄彦「スラムダンク」

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今夜は言わずと知れた国民的大ヒットマンガ「スラムダンク」(累計売上部数は国内のみでも1億2000万部を優に突破しています)について書きます。 既に無数の読者が熱い思いをこめて、この作品に言及しておられると…

融通無碍の文体 夏目漱石について

どうもこんにちは、サラダ坊主です。 数日間更新をサボっておりました。 本日は私の敬愛する夏目漱石について書きます。 夏目漱石って、何だか堅苦しいイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際に読んでみると決してそんなことはありません。何しろ明治…