サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Cahier(ラピュタ・宮崎駿・自然・人間)

*仕事を終えて十時過ぎに帰宅し、テレビの電源を入れると、金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」を放映しているところだった。 金曜ロードショーで、スタジオジブリのアニメ映画の再放送に出喰わすことは、少しも珍しい話ではない。子供の頃、母親がVH…

Cahier(解散・改革・希望・ポピュリズム)

*本日付で衆議院が解散した。総選挙の投開票が十月二十二日に設定されると共に、テレビ画面の向こうに広がる政治の世界は大荒れの様子だ。東京都の小池百合子知事が「希望の党」の代表に就任して結党会見を開き、離党者の続出でゾンビと化した民進党の前原…

Cahier(大人と子供・愛の飢渇)

*偶に自分の幼少期のことを思い出す。自分がどういう経緯を踏まえて現在の状況や人格に辿り着いたのか、その流れのようなものを時折、辿りたくなるのだ。それは必ずしも感傷に耽る為ではない。そういう側面が一切存在しないと言い張る積りはないが、その渦…

Cahier(ヨーロッパ・近代・小説)

*最近は専ら海外の小説を読むことに、乏しい読書の時間を充てるように意識している。ウラジーミル・ナボコフの「ロリータ」を舐めるようにちびちびと読み進めながら、日本語のみを理解し、一度も国境線を跨いだ経験を持たない、生粋の島国根性の持ち主とし…

Cahier(ロヒンギャ・人道的危機・世界宗教)

*夜の十時過ぎに仕事から帰宅して、夕食の仕度が整うのを待ちながら、普段と同じ習慣に則って「報道ステーション」を見ていたら、ミャンマーで起きた大規模な人道的災害に関するニュースが流れていた。ビルマ語を操る仏教徒が人口の大半を占めるミャンマー…

Cahier(高野山・空海・虚構性・他者の「無答責」)

*先日、珍しく土曜日に休暇を取り、母親と弟夫婦を自宅に招いた。夕方からは、地元の神社の祭礼があり、近くの通りは歩行者天国と化して、道に沿って一面に露店が軒を連ねた。台風の影響で弱々しい雨が降っていた。 子供を風呂に入れた後で、居間のソファに…

Cahier(ナボコフ「ロリータ」・今後の読書計画)

*最近は仕事に追われつつ、専らナボコフの「ロリータ」(新潮文庫)をちまちまと読み進めている。現代文学の古典の一つに数えられる「ロリータ」は、その性的な内容ゆえに当初は出版が難しく、結局はフランスのオリンピア・プレスという、ポルノグラフィの…

芸術と記憶(あるいは「祈り」)

芸術とは「記憶」の異称ではないだろうか。 芸術は、一瞬を永遠に変えたいという欲望に貫かれている。或る瞬間の出来事を永遠に記録しておきたいという欲望だけではない。つまり、単なる事実の記録だけに留まらない。失われてしまった何かを再び甦らせ、明瞭…

サラダ坊主風土記 「千葉公園」

一昨日は仕事が休みで、妻は独り美容院に出掛けた。珍しく娘と二人きりである。単独の子守りを仰せ付かる機会は殆どない。昼飯を食べさせてから、晴れ間が広がってきたので、娘を連れて散策へ出掛けることにした。 とりあえず新装開業したばかりの千葉の駅ビ…

サラダ坊主風土記 「千葉」(一日平均乗車人員数の比較)

今日、JR千葉駅の真新しい駅ビルがオープンした。未だ実地には中身の作りを見学していないが、人伝に聞いた話では凄まじい人出で、午前中は入場制限が掛かっていたらしい。家の郵便受けに投じられていた広告を眺める限りでは、なかなか有名なブランドが揃…

「醗酵的読書」の作法

先日、カズオ・イシグロの「日の名残り」(ハヤカワepi文庫)を読了したので、次の作品に着手した。休日の昼間、妻と娘を連れて訪れた幕張新都心のイオンモールに入っているスターバックスで、「キーライムクリーム&ヨーグルトフラペチーノ」という舌を咬み…

一つの道を信じるということ カズオ・イシグロ「日の名残り」に就いて

1989年度のブッカー賞の栄冠に輝いた、カズオ・イシグロの『日の名残り』(ハヤカワepi文庫)を読み終えたので、ここに感想を認めておくことにする。 久々に、とても上質で滑らかな、大変「美しい小説」を読んだという手応えを感じることが出来た。作品…

Cahier(小売業渡世・心筋梗塞)

*六日連続の勤務が今日で終わり、漸く人心地がついている。六日連続くらいで大袈裟に騒ぎ立てる積りもないが、立ちっ放しの仕事なので、躰の節々が何となく重たくなってくる。特に「通し」と言われる、朝から晩までのシフトで入る日が続くと、睡眠時間の確…

サラダ坊主風土記 「仙台・松島・塩釜」 其の六

「塩竈すし哲」本店は、本塩釜の駅に程近いビルの中に入っていて、三階まで客席があり、我々は二階の座敷へ通された。回転寿司ではないので、幼児を連れて入れるのか不安であった。実際、一階のカウンター席は鈴生りの客で、板前が三人ばかり忙しそうに働い…