サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「孤独」に就いて

世の中には「孤独を懼れるな」という激励に満ちた言説が飛び交っている。実際、孤独そのものを懼れても無益であることは確かな事実であり、多かれ少なかれ、人間が孤独という止むを得ない状況に呑み込まれることは少しも奇態な現実ではないと言うべきだろう…

「プライド」に就いて

「自信を持てない人ほど、プライドが高くなる」というのが私の個人的な見解である。自信というのは文字通り「自分で自分を信じること」を意味するが、自分で自分を信じられない性格の人間は往々にして「他人の評価に基づいて自分自身を信頼する」という迂遠…

「決断」に就いて

決断することは常に難しく、多くの危険を孕んでいるものだ。決断するとき、私たちは綿密な熟考を経ている場合もあるし、単なる素朴な思い付きだけを足掛かりに選んでいる場合もあるが、何れにせよ、決断が困難であることには変わりがない。綿密な検討を積み…

「卑屈」に就いて

自分で自分の人生に責任を持つことを拒むと、人間は必ず「卑屈」になるか、或いは「虚勢」を張るようになる。自分で自分を信頼することが出来ないという精神的状態は、自分の人生に自分自身の判断で責任を取ろうとせず、総てを外在的事象の結果として捉えよ…

「独裁者」に就いて

最近、米国のドナルド・トランプ大統領は、ロシアとの「不適切な関係」を取り沙汰されて、四方八方から攻撃を受けている。ロシアのラブロフ外相に同盟国(イスラエル)から入手した機密情報を流したということで、国内の情報機関からも敵視されているらしい…

「正論」に就いて

「正論」は凶器のようなものである。無論、これは一種の極論に等しい命題だ。如何なる正しさとも無関係に、己の実存を歩み続けることは簡単ではない。如何なる正しさも肯わないままに、自分の人生を切り拓いたり、苛酷な試練に挑戦したりすることは不可能で…

「コミュニケーション」に就いて

現代は「コミュニケーション」という理念が異常に重視され、魔法の言葉として濫用される時代である。多くの人々が「コミュ力」(コミュニケーション力)の多寡を競い合い、自分は「コミュ障」(コミュニケーション障碍)であるという奇怪な卑下を用いて、不…

「悼むこと」に就いて

余り具体的なことを書くと差し障りがあるので、詳細は省くが、今日、勤め先の店舗の固定電話に、常連の御客様(仮に「Sさん」としておこう)から、私宛てに電話が掛かってきた。 最近、余り顔を見なかったので一頻り久闊を叙した後に、Sさんは今度の日曜日…

「書評」に就いて

私は最近、中上健次の分厚い長篇小説「地の果て 至上の時」(新潮文庫)を読んでいる。最初に購入して通勤の往復の電車で読み出し、途中で飽きて投げ出したのが二十代前半の頃だったと曖昧に記憶しているので、それから知らぬ間に随分と月日が過ぎてしまった…

「自信を持つこと」に就いて

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 昨春から約一年間、一緒に働いてきた部下の女性社員が今月で異動になり、後任の女性社員が配属されてきて、三日間の引き継ぎ期間に入っています。 新たに着任した彼女の働きぶりを見ていて、最も強く感じたのは、根本的…

「赦すこと」に就いて

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今日、昔の部下(男性です)と電話で話す機会を持ちました。今は転職して、別の会社で働いているのですが、久々に逢いましょうという連絡が届いたのです。何かあったのかと思い、メールで「そろそろ結婚の報告か?」と冷…

物書きのための苦い良薬 ショウペンハウエル「読書について」

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 ドイツの哲学者ショウペンハウエルの『読書について 他二篇』(岩波文庫・斎藤忍随訳)を読み終えましたので、ここに感想を記しておきます。 とはいえ、この薄い一冊の書物は、一度通読したらそれで済むというものではな…

「鯨」に捧げられた「聖書」のごとく ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 3

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 先日、遂にハーマン・メルヴィルの「白鯨」(岩波文庫・八木敏雄訳)下巻を読み終えましたので、ここに感想の断片を遺しておきたいと思います。 上巻と中巻に関する感想文の記事で触れた内容と重複する部分も出て来るか…

私たちは、誰も答えを知らぬままに生きている

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 世間はゴールデンウィーク真っ盛りですが、小売業の陣頭に立つ私は本日も仕事で、家に帰り着いたのは午後11時近くでした。 昨春の人事異動で、家が幕張、職場が千葉という関係性になって以来、10時過ぎには帰宅する…

高等教育の無償化に関する個人的な懸念(或いは「妄想」)

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今日、仕事を終えて家に帰り着き、遅い夕食を取りながらテレビの電源を入れて「報道ステーション」を眺めていると、安倍内閣が2020年の憲法改正実現を宣言したというニュースが偶々眼に留まりました。 その報道の中…

shimomurayoshiko氏への応答(私信のようなもの)

以前、私は「ブギーポップ」という小説に就いて、次のような記事を投稿した。 saladboze.hatenablog.com この記事は、私の運営する零細ブログにおいては珍しく、ツイッターを通じて拡散され、幾つかの批判的なコメントを頂戴する仕儀と相成った。 saladboze.…