サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「常世」と「現世」のはざまで生きること 川上弘美「真鶴」

どうもこんにちは、サラダ坊主です。 今日は川上弘美の傑作小説「真鶴」について書きます。 川上さんは、実に独特のポジションに立っている作家だと思います。 その文章は一見すると穏やかで柔らかくて儚げで、圭角のない読み心地ですが、その淡々と綴られる…

サラダ坊主風土記 「長野」(善光寺・小布施・湯田中) 其の一

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今回はちょっと趣向を変えまして、紀行文めいた雑文を草して、ネットの大海へ晒してみたいと思います。 今年の夏の終わりに私は妻と長野県へ旅行にいきました。私にとって「長野県」というのはかつて足を踏み入れたこと…

「モノ」と「コト」の幸福論 無常観の反復

どうもこんばんは、毎度おなじみサラダ坊主です。 今回は「天職」という幻想的な概念について書きます。 私は小学生の頃から小説家になりたいと思っていて、三十歳の誕生日を迎えた今もその夢を諦めきれずに、個人的な趣味として創作活動を続けているのです…

「文明」と「文化」の差異について

どうもこんにちは、サラダ坊主です。 本日も抽象的なテーマで徒然と雑文を草します。 日本語には「文明」という単語と「文化」という単語があります。どっちも似たような意味合いに聞こえる一方、本によっては明確な区別をして用いている場合もあります。例…

「戦争」は選択し得るものなのか

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 最近、世の中には血腥いニュースがあふれています。 先日もロシア軍の戦闘機をトルコ軍が領空侵犯を理由に撃墜した挙句、パラシュートで脱出したロシア兵が、トルコ系の武装勢力の攻撃を受けて死亡するという悲劇が起こ…

「若者」というマイノリティ / 「高齢化」というライフスタイル

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 本日も徒然なるままに他愛のない雑感を綴ろうと思います。 仕事をしていても、テレビや新聞やネットを見ていても、日本は「少子高齢化」の時代であるという言説を耳にすることがよくあります。別に最近になって語られ始…

「ノベル(小説)」と「ロマンス(物語)」の背反に就いて

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今回も随分と抽象的なテーマを扱うことになります。辛抱してお付き合い頂けると幸いです。 私は個人的な趣味として昔から小説を書いているのですが、当然のことながら「小説」というのは、そう簡単に書けるものではあり…

表現の自由という、名状し難い「困難」 映画「図書館戦争 -THE LAST MISSION-」

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 本日は、やや旧聞に属するテーマかも知れませんが、10月10日に公開されて大ヒットを記録している実写映画「図書館戦争」の続編について書きたいと思います。 内容としては前作同様、有川浩の原作小説から大きく逸脱…

「幽霊」の政治学 映画「桐島、部活やめるってよ」

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 今夜は2011年に公開された映画「桐島、部活やめるってよ」について書きます。 この作品は元々、朝井リョウの書いた小説が原作ですが、映画化された作品は原作のニュアンスを残しつつも、遥かに上質な芸術作品へ昇華…

「洗練」という名の停滞

どうもこんばんは、船橋在住のサラダ坊主です。 今夜も何の結論もないことを徒然と書き綴ります。 どんな領域にも共通して言えることですが、或る新しい分野が誰かの独創的な努力によって開拓されたとき、そこには無限の可能性が広がっていると同時に、無限…

「個人」と「制度」の相剋 田中芳樹「銀河英雄伝説」

どうもこんにちは、サラダ坊主です。 本日は私が最も愛する小説の一つ、田中芳樹の「銀河英雄伝説」について書きたいと思います。 過去にはアニメ化もされている、この有名なスペースオペラは、創元文庫で本編10巻、外伝5巻というボリュームの壮大な物語…

「正義」と「愛情」は相容れない

皆さんは「喧嘩」ってしたことありますか? 勿論、喧嘩にも様々なパターンがあります。例えば友人との喧嘩、親子喧嘩、客と店員の喧嘩、上司と部下の喧嘩、赤の他人との喧嘩、恋人や夫婦間の喧嘩。 その中でも私が特に取り上げたいのは「恋人同士の喧嘩」と…

暴力と哀傷 北野武「HANAーBI」

どうもこんばんは、サラダ坊主です。 長い間更新を怠っておりました。申し訳ありません。 今日は北野武監督の「HANA-BI」という映画について書きます。 御存知の通り、北野監督はツービートという漫才コンビから出発して、今では世界的な映画監督の一…