サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Cahier(衆院選・開票・改革・パフォーマンス)

*先日、衆院選が行われ、当初は政権交代の可能性さえ謳われていた、小池百合子氏の率いる「希望の党」が大幅に失速し、解体した民進党の残党から生まれた、枝野氏の「立憲民主党」が予想外の健闘を見せた。だが何れにせよ、小池氏と前原氏の間で生じた思惑…

歪んだ愛の精細な記録 ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」

九月前半からずっと格闘し続けてきたナボコフの「ロリータ」(新潮文庫)を読了したので、覚書を認めておきたい。 このペダンティックな文体で織り上げられた稠密な作品を、強いて要約しようと試みるならば、表題に掲げたように「歪んだ愛の精細な記録」とい…

Cahier(期日前投票・パネルクイズ予選会)

*荒天の中、朝から期日前投票に出掛けた。花見川区役所まで、シーサイドバスに揺られていく。同乗者は誰もいない。鬱陶しい長雨が、羽織ったチャコールグレイのコートに少しずつ染み込んでいく。悪天候の休日にわざわざ、バスに揺られて区役所へ向かう物好…

Cahier(反復・学習・詩歌・単一性)

*子供は同じ遊びを執拗に繰り返すことを好む。一度気に入れば、無際限に同じ行為を反復して、嬉しそうに笑い声を立てるのが、小さな子供の普遍的な習性である。そうした行為に付き合わされる大人は、時にうんざりして溜息を吐きたくなるだろうが、子供にと…

Cahier(引き続き「ロリータ」・読書における一方的な信頼)

*先月からずっと、ウラジーミル・ナボコフの「ロリータ」を読み続けている。新潮文庫で漸く400ページの背中が見え始めた。ビアズレーという大学町での暮らしを引き払って、再び二人の壮大な逃避行が始まったところ、いよいよ本格的に不穏な臭気が漂い始…

Cahier(「正解主義」・誤答・恐怖・奴隷)

*自分の外部に絶対的な「正解」が予め存在していると信じ込む態度を指して、私は「正解主義」という用語を提案したいと思う。 正解主義者は、自分の内部に絶対的な規範や、譲れない信念というものを持たない。或いは、持っていても信じ切ることが出来ない。…

Cahier(方法・価値観・守破離・相転移)

*或る組織に属して労働に明け暮れる。年数が経ち、春が来る度に真新しい心身を携えた後輩が現れる。その繰り返しで、組織の新陳代謝のリズムは保たれ、旧弊な慣習にも徐々に罅割れが生じていく。 或いは、子供が生まれる。夫婦だけの静かな生活に、喜ばしい…

Cahier(三毒・懲罰への欲望・感情の制御・排除の論理)

*今日、と言っても日付が改まったので昨日の話ということになる。職場で少し腹立たしいトラブルがあり、久々に厳しい口調で通達を発した。些細なミスの積み重ねが生み出した状況に過ぎないことは確かである。私の指導と監督が不充分であったことも認める。…

Cahier(正義・愛情・無底性)

*随分と昔に書いた「『正義』と『愛情』は相容れない」という表題の記事が、何の因果か、この「サラダ坊主日記」の注目記事の欄に突如として姿を現し、数日間、その状態を維持している。表題だけは漠然と覚えていたが、どういう中身の文章を書いたのかは、…