三島由紀夫の短篇小説「三熊野詣みくまのもうで」(『殉教』新潮文庫)に就いて書く。 この独特で排他的な師弟愛、非対称的な愛情の光景を描き出した小説は、息苦しい関係を精細に掘り出しながらも、稀な性質の抒情を全篇に森閑と湛えて、他所では得難い風味…
三島由紀夫の短篇小説「スタア」(『殉教』新潮文庫)に就いて書く。 この巧緻な佳品は『殉教』に収録された他の小説と同様に、三島的な主題が極めて鮮明な姿形で象嵌されている。「演劇的時間=日常的時間」及び「夭折=老醜」の対義的構図が、全篇を貫く主…
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