サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Cahier(台風・人災・不測)

*昨夜は酷い雨風の音でまともに眠れなかった。夜中に雨戸の揺れる音と吹き荒ぶ風の唸り声で眼を覚まし、一旦は寝入ったものの、明け方に台風が千葉市へ上陸して、騒音で再び揺り起こされた。今まで経験したことのない激越な暴風雨である。電車は軒並み運休…

Cahier(雑文の区画整理)

*自作の小説を「カクヨム」に移管した上で続きを書いたり推敲したりしている関係で、このブログから小説作品と、それに関連する幾つかの記事を纏めてバッサリと削除した。合計すれば二〇〇件ほどの分量となる。随分とスリムな体形を恢復したような気分で、…

Cahier(作り出すこと / 元に戻すこと)

*最近は専ら「カクヨム」というサイトで、自作の小説を書き綴ることに熱中している。それ自体は案外愉しく、それなりに夢中にはなっているのだが、私の悪い癖で、時折虚無の隙間風が胸底を駆け抜ける。自分は本当に小説を書きたいと考えているのだろうか、…

不貞と絶望 レイモン・ラディゲ「ドルジェル伯の舞踏会」

レイモン・ラディゲの遺作『ドルジェル伯の舞踏会』(光文社古典新訳文庫)を読了した。 年上の女性との早熟で破滅的な不倫を描いた処女作「肉体の悪魔」と比べると、この作品は遥かに大柄で、貫禄のある小説に仕上がっている。日夜、煩瑣で華麗な社交に明け…

無頼派雑記

俗に「無頼派」と呼ばれる作家の一群がある。明瞭な定義を問い訊ねても無益だが、一般にその双璧は太宰治と坂口安吾である。 彼らを「無頼派」と称する所以は生憎審らかにしないが、少なくとも太宰と安吾に関して言えば、彼らが社会の醇風良俗と対峙する作家…