サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「国境線の突破」

金網越しに

まぶしい太陽が見える

熱い風がカラダを包んではなさない

喉が渇いて死にそうだ

記憶が飛びそうだ

この国境線の金網が

いつまで経っても俺とあいつを隔て続けるんだ

 

車は大破してゴミの塊だ

眠れない夜はマリファナタバコが肺を焦がす

ハンドルを握りすぎて指の皮がボロボロだ

俺たちは苦しい毎日をずっと送ってきた

そろそろ救われたってバチはあたらねえだろ?

 

この金網の向こうに

あいつは暮らしてる

常夏の太陽のしたで

気ままに後家暮らし

指を立てて

爪を立てて

金網を攀じ登るけれど

吸い込んだ陽射しの熱さで

火傷しそうだ

だけど火傷なんかにかまってられない

苦しいけれど弱音は吐かない

俺にはもう

時間が残されていない

この金網の上に

真昼の太陽が辿り着くまえに