金網越しに
まぶしい太陽が見える
熱い風がカラダを包んではなさない
喉が渇いて死にそうだ
記憶が飛びそうだ
この国境線の金網が
いつまで経っても俺とあいつを隔て続けるんだ
車は大破してゴミの塊だ
眠れない夜はマリファナタバコが肺を焦がす
ハンドルを握りすぎて指の皮がボロボロだ
俺たちは苦しい毎日をずっと送ってきた
そろそろ救われたってバチはあたらねえだろ?
この金網の向こうに
あいつは暮らしてる
常夏の太陽のしたで
気ままに後家暮らし
指を立てて
爪を立てて
金網を攀じ登るけれど
吸い込んだ陽射しの熱さで
火傷しそうだ
だけど火傷なんかにかまってられない
苦しいけれど弱音は吐かない
俺にはもう
時間が残されていない
この金網の上に
真昼の太陽が辿り着くまえに