サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「金木犀」

静かに壊れていくものの

息づかい

わたしたちに許された

いくつかのみじかい祈り

大きな声で

嘆く天使

その痩せた肩胛骨

自分の姿を

鏡に映して

小さく笑った

まるで現実のように

 

閉鎖された空間で

わたしたちに認められた乏しい権利

切なげに微笑む夕暮れの警官

横断歩道で立ち止まったら

何が見えるだろう

失われた断片の

その先に結ばれる過去の形

鮮やかに光る信号機の

足許でまた

きっと巡り逢えるね