2019-09-10 詩作 「金木犀」 詩作 静かに壊れていくものの 息づかい わたしたちに許された いくつかのみじかい祈り 大きな声で 嘆く天使 その痩せた肩胛骨 自分の姿を 鏡に映して 小さく笑った まるで現実のように 閉鎖された空間で わたしたちに認められた乏しい権利 切なげに微笑む夕暮れの警官 横断歩道で立ち止まったら 何が見えるだろう 失われた断片の その先に結ばれる過去の形 鮮やかに光る信号機の 足許でまた きっと巡り逢えるね