サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「わたしたちの落ち度」

何を代表したつもりだろうか
「わたしたち」という言葉で
罪深い愛情の免罪符を
それで購おうとしたのか
混乱する
あたまのなかで
何が確かなものなのか
それを精確に測定することはとても難しい
契約だけで人の心は縛れないし
決意だけで
時の試練に堪え抜くことは不可能に近い
そんなことは
つまり それらの一般的な知識は
もちろん理解していたつもりだったのだ
しかし
出会いは常に
衝突事故の横顔をたずさえている

誰かを愛することが
誰かを傷つけることと
表裏しているという現実に
私は幾度もぶつかってきた
その苦みと
裏腹の糖蜜の香りも知っていた
そうした矛盾と葛藤が
完璧な幸福を損ねることも
うっすらと察していた
けれども
魂は嘘を吐かない
悲しいほどに
魂は露わな真実の在処を告げる
愛情は併走している
二条の光芒を否定する科学的な真理を
踏み躙るように
心が枝分かれしていく
大き過ぎる泉から
水脈が幾重にも罅割れて広がっていくように
その度し難い分裂は
やはり
私の落ち度でしょうか
誰かが答えをくれると
信じている訳ではないけれど