サラダ坊主日記

「この味がいいね」と君が言ったのはお世辞だったねサラダ記念日

詩作 「わかれる(弐)」

貴方が
いないと
生きていけないの
君がいなけりゃ
僕は
人間じゃいられない
そう睦み合い
互いに捧げ合って
宝珠のように光り輝く日々を過ごした後で
なぜ
冷たい雨が降りしきるのだろう

夜半の
煙るような車道の界面
誰も通らない
横断歩道に
瞬きつづける信号機の灯り
出逢ったことを
悔やむ訳ではなくとも
降りしきる冷たい雨に
何も想わずには
生きられない

出逢い方と
別れ方の
ものうげな不均衡を跨ぎ越して
私たちのカレンダーに
一つずつ黒い汚点が刻まれる
愛した記憶は
驚くべき速度で
灰色の荒れ果てた画面に
すりかえられる
愛した記憶?
もはや それは
沙漠の干上がった岩肌にも等しい
その無骨な ざらついた膚に
どんな指先が触れられるというのだろう
誰が罪の記憶を洗い流せるというのだろう
別れることは確かに
一つの重大な罪障に似ている
その歪んだ重力に
ひしがれるように
私は急速に
貴女から遠ざかる
それは確かに ひとつの巨大な
破綻であった
どんな言葉も そのときには既に
贋物の墓碑銘のように
心を打たなかった