詩作 「別れ話」
どこにでも
ありふれている
なんだか気づいたら面倒になっていたのだ
闇と光の境目はかすんでいる
私たちはそのあわいに佇み
行方の知れない船に乗る
食い違う心が数珠のようにつらなり
真昼の光に焼かれている
君は笑うことを忘れた
時の止まる音が聞こえる
君という罪悪
愛という劫罰
私たちは眠ろうとしない
手探りの真実
なんでこうなってしまったんだろうね
最初はこんな二人じゃなかったのに
最初からこんな風になると約束されていたんだろうか
食い違う心が数珠のようにつらなり
黄昏の光ににじんでいる
上がらない遮断機
遠ざかる電車の騒めき
もうこのへんで終わりにしようか
色々と積み重ねた思い出も
引きずるのはやめにしようか
最初はもっと幸福な未来を夢見ていた
それが叶わない夢だと
いつから気づいていたのかさえ
確かには思い出せないね
冷え切った風が
街路をそっと訪れて
僕たちは夜の帷に怯えている
戻れない道
白い吐息がいつまでも消えない
戻れない場所
さよならがいつまでも響きつづける